「四十肩・五十肩」Q&A
2015年05月23日
『四十肩・五十肩』は、「肩関節周囲炎」のことをいい、特に痛めた原因がないのに徐々に肩関節周囲に「痛み」や「運動制限」が現れるのが特徴です。髪を結ぶ・帯を結ぶような「結髪・結帯動作」や着替えでの痛みなどができなくなることが多く、「凍結肩(フローズン・ショルダー)」ともいわれています。 「四十肩・五十肩」の痛みを抱えてお越しいただくお客様の多くが、こうなる前に予防できたらよかったのにと言っています。皆様も、ストレッチやトレーニングで「四十肩・五十肩」の予防をしておきましょう!
Q.四十肩・五十肩の原因は?
A.年齢とともに肩周囲の筋肉や腱などの柔軟性が低下(退行性変性)するため、運動不足や使いすぎ、不良姿勢などが重なると、何気ない日常の動作で「筋肉」や「腱」、関節を包んでいる「関節包」などが傷つきやすくなります。
ぶつけたり捻って痛めた記憶がないため、痛みを感じつつそのまま使ってしまうと次第に肩が挙げにくくなったり、着替えや荷物を持つ時にも痛みを感じるようになります。寝返りや安静に寝ていても痛みがでるほど悪化すると、治るまでには時間がかかってしまいます。適切な施術を早めに行わないと、関節は関節包が癒着するなどして拘縮(こうしゅく)して肩が挙げられないなど可動域が狭くなり、完治するまでに2~3年かかることもあります。
Q.40代・50代に多いのはなぜ?
A.ゴムの束のような構造の筋肉は、40代以降は柔軟性が低下して変性してくるため、古くなったゴムは軽く引っ張っても切れやすいように、筋肉も日常生活の動作で傷がつきやすくなります。さらに、働き盛りの40代・50代は痛みがあっても仕事や家事は休めず、無理な動きを避けられないために傷が広がり悪化してしまいがちになりるため「四十肩・五十肩」と言われています。
そして、「六十肩・七十肩」と言わないのは、60代以降は仕事が一段落して無理な動きが少なくなるため、肩を痛める方が少ないためではないかと思いますが、40代以降の方はどの年代にも起こりうる状態ですのでご注意ください。
Q.四十肩・五十肩と間違えやすい症状は?
A.四十肩(肩関節周囲炎)とは、広義には「凍結肩」「腱板炎」「上腕二頭筋腱炎」「肩峰下滑液包炎」「烏口突起炎」「石灰沈着性腱板炎」などがありますが、現在では「凍結肩」のことを「四十肩・五十肩」とよぶことが多くなっています。
「四十肩・五十肩」が関節が拘縮して肩が挙がらないなど可動域が狭くなるのに対して、肩の痛みで多い「腱板炎」は肩の腱板(ローテーターカフ)という主に4種類の筋肉(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)に、捻った・転んだなどのケガが影響して炎症が起きることで痛みが発生し、痛みはあるものの拘縮せず動かせるのが大きな違いです。
特に「腱板炎」の中では構造上痛めやすい「棘上筋腱炎」は、横から上げる(外転)動きで60°~120°の角度で痛みを感じます。他に、「上腕二頭筋腱炎」はいわゆる力こぶの筋肉の肩にある腱の部分に炎症が起きて、荷物を持つ時に肘を曲げる時や肩を挙げる時などに痛みを感じます。「棘上筋」や「上腕二頭筋」は断裂することもあり注意が必要です。熱感や安静時痛などの強い炎症症状を伴う「肩峰下滑液包炎」は、肩の上方にあるクッションの役割をする滑液包が炎症を起こしたもので、軽く牽引すると楽なのが特徴です。痛みで眠れず、ほとんど肩を動かせなくなる「石灰沈着性腱板炎」は、腱板に沈着した石灰が激痛を引き起こす40~50代の女性に多い症状で、ステロイド注入などで劇的に改善するといわれています。
Q.四十肩・五十肩の予防法は?
A.筋肉の柔軟性の低下や不良姿勢が原因で肩関節周囲に炎症が起きないように、30代のうちからストレッチやトレーニング、姿勢矯正などで「四十肩・五十肩」を予防しましょう!
体操としては、ラジオ体操のような全身運動を心掛けましょう。特にデスクワークや家事では腕が前側にくる作業が多くなるので胸筋の張りが強くなり猫背になりがちになりますので、手を腰で組んで胸を張るようにストレッチしたり、肩に手を当てて後ろ回し(10回程度)で胸の前を伸ばしておきましょう。座る姿勢も猫背の原因になり胸筋も張りがちになりますので、後ろに倒れた骨盤を立てるなどで姿勢に気を付けましょう。
Q.「四十肩・五十肩かな?」と思ったら
A.ひどくなって来院された患者様にお話をお聞きすると、お友達などに「四十肩になったかも…」と相談したら、「放っておけば治る」とか「痛くても動かしたほうがいい」といわれ、その通りにしていたら悪化したというケースがよくみられます。多くの方がかかる症状ですが、その程度は様々です。下記のように痛みが発生してからの時期によっても対処法が異なってきます。
・炎症期:症状が最も強い時期で、動作時痛と夜間痛あり。
・拘縮期:拘縮が完成する時期で、痛みは軽減するが可動域制限が残る。
・解氷期:拘縮が徐々に改善する時期で、炎症期を含めて数年を要する。
間違った知識で処置を誤ると、状態は悪化して回復までの期間が長くなってしまいますし、痛みが出て早めに施術を開始すると、回復までの期間はぐっと短くなります。
まずは、手を挙げる、着替え、荷物を持つなどで肩関節周囲に痛みを感じたら、痛みの出ない範囲の動きにしておきましょう。例えば、着替えで服を着るときは痛いほうの腕から通し、服を脱ぐときは痛みのないほうの腕から脱ぎましょう。腕は、動かす範囲を制限しておくと悪化しにくくなります(肘が、肩より下・横から見て体幹より前)。安静にしても痛いような炎症期には、無理に動かしたり、揉んだりするのは避けて接骨院などに相談しましょう。
「四十肩・五十肩」かな?と思ったらお早めに船橋(塚田駅前)の「塚田はりきゅう接骨院」へご相談ください。