スポーツによる痛みは、足首の捻挫・肉離れなどに代表されるスポーツ傷害（外傷）と、シンスプリント・オスグッド病などのスポーツ障害との２つに分類されます。

『スポーツ傷害』とは、

１回の強い外力によっておこるケガ

例）骨折、脱臼、捻挫、挫傷、肉離れ

『スポーツ障害』とは、

 オーバーユース（使いすぎ）によっておこる慢性の障害

例）オスグッド病、ジャンパー膝

　シンスプリント、テニス肘、ゴルフ肘

　ランナー膝、野球肩、野球肘、腰痛

　疲労骨折　など

言葉は同じでも漢字が違えば発生起因も違うのです。

スポーツ障害 – なぜそのような症状に？

『スポーツ傷害（外傷）』

運動中に人とぶつかったり、転倒、捻ったりした場合の強い外力によって起きるケガ。 その時の衝撃も強ければ、ケガの重症度も高くなりがちです。 局所の治療にあわせた、ケガ以外の部分の持久力や筋力などの機能を落とさないトレーニングも必要となります。 ケガの原因の背後に、身体的な特徴や運動のくせなど身体的問題が無いことから、ケガの治癒が確実に得られ、後遺障害が少なく、筋力や可動域の回復が十分に得られれば、競技復帰も可能となることが多い外傷です。

『スポーツ障害』

一般的には比較的弱い力が、運動器の同一部位に繰り返し加えられることによって起こるもの。 多くの障害には、誤った動作の繰り返しや姿勢の不良などの明らかな原因の他に、本人や指導者も気付かない運動方法や運動時間に問題がある場合もあります。必ず原因があるため、その原因を見つけ出すことが必要です。

一旦発生すると経過が長くなりやすい症例もあります。

スポーツでケガをしてしまったら

運動中のケガに対する応急処置として、次の 5つの方法があります。各項目の 頭文字を取って「RICES(ライスズ)」と呼びます。これはスポーツ外傷の応急処置の基本です。

①Rest（安静）

受傷部位を動かさないようにし、安静を保ちます。受傷部位を動かせば、それだけ症状は悪化します。

②Ice（冷却）

受傷部位を氷水や氷のうで冷やします。冷やすことによって腫れを防ぎます。腫れが治るまで、凍傷に注意しながら断続的に1～2日間は続けましょう。

２０分間冷やし、その後は感覚が冷たいせいでないと思いますが、感覚が健側と同じように戻るまで安静にし、それを2回は行いましょう！

③Compression（圧迫）

  受傷部位を伸縮性包帯で巻き適度に圧迫します。腫れや内出血を防ぎますが 、このとき強く巻きすぎて循環障害を起さないように、皮膚の色の変化を時 々チェックしなければなりません。

④Elevation（挙上）

受傷部位を心臓より高く挙上し腫れを防ぎます。上肢(腕や手)であれば、手を上げた形で、下肢(脚や足)であれば、仰向けに寝て足の下に台を入れて挙上しましょう。

⑤Support（保持）

 受傷部位を不安定にしないようにスプリントや簡易装具によって保持固定します。安定させることで痛みや腫脹の増加を防ぎ、組織の炎症を抑え二次的な損傷を防ぐことで治療期間を短縮できます。

 

以上の他に、小さなキズがあれば、水道水などで、キズをきれいに洗浄し、消 毒した後、清潔なガーゼでおおっておきます。大きなキズは清潔なガーゼなどでキズを被ってただちに専門医を受診しましょう。

「分かりやすい問診・説明」